外付け海馬

備忘録

日本文学の至上傑作『源氏物語』の航海のような読書体験

少しずつ読んでいた『源氏物語』を、いったん読み終えました。

「いったん」というのは、読みながら、この作品は折に触れ読み返すだろう、と思ったからです。

 

古典の中の古典、王朝長編物語、ひいては日本文学の最高峰とされるにふさわしい、まことに典雅で滋味深い作でございました。

 

ことに感動いたしましたのは、作品自体の持つ、うねるような起伏で、この物語を読んでいる間、まるで大海原へ航海に出ているかのように感じられる、清々しさと不穏さに富んでおりました。

 

絢爛豪華な結構と細部のはしばしに、妖しき陰影がちらちらと見え隠れするその叙述からは、物語から小説、小説から物語へと架かる幻の橋のような心地さえいたします。

日本文学の出発点にして到達点、模範にして超えんと試みられるもの、古典にして現代の作品。

 

賢しらな感想を滔々と述べることはここでは止しましょう。こうした至上の作に触れた後は、ただただ、しばしの余韻に浸っていたいものです。

 

途中からは、こちらの朗読動画に大変お世話になりました。

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以前、『源氏物語』を読む方法について話したポッドキャストです。

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